戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

クライアントの重要性

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既にご察しのところかもしれませんが、今のPJかなり楽です。

PMも比較的自由にやらせてくれますし(ほぼ放置)、クライアントも良い意味でも悪い意味でも期待値が高くないので、作業負荷をコントロールしながらPJを推進できている状況です。 

とは言え、物足りなさを感じているのもまた事実で、少し悶々と考えてしまう時間が増えました。(時間があるということでマイナスに働くこともあるんですね)
今日は少し悶々としながら考えたクライントについて書きたいと思います。 

コンサルタントはクライアントに育てられる

コンサルタントにとってクライアントのレベルや期待値というのは非常に重要です。
ある程度のレベルに到達すると、正直ファーム内では自分は教える側になりますし、学ぶことはそこまで多くなくなります。

一方、僕たち戦略コンサルが対面するクライアントは、大手一流企業である程度の地位を獲得している方々です。
そんな方々に対して週に1,2回プレゼンする機会があり、ガッツリ議論することができるというのはとても勉強になります。

僕自身、入社して最も勉強させて頂いた人を挙げるとすれば、過去のPMやパートナーではなく、某企業のクライアントになります。 

但し、やばいクライアントも存在する

一方で、全てのクライアントが素晴らしい訳ではありません。
残念ながら、思い出すだけで未だに負の感情が蘇るようなクライアントもいます。

①ああ言えばこう言う系

最もオーソドックスなやばいクライアントです。
日々の鬱憤を晴らすためか、彼らは徹底的にコンサルタントをいじめてきます。
こちらが何か意見を言うと、とりあえず否定だけして、後は感じ取っておくれという姿勢です。
地面すれすれまで腰を低くし「何か想定されている案はありますか?」と聞けば、「別に。高いお金払ってるんだから自分で考えてよ」の一言。
この手のタイプの場合、クライアント側がいじめ足りるまで永遠とこのやり取り(当然、影では何十何百という分析・資料作成が行われます)が続くので、途中でバタバタとコンサルタントが倒れていきます。

②横文字連発系

近年急増中のタイプです。
書店に並ぶコンサル本を読み漁り、学んだ横文字を連発します。
問題は、横文字大好き人間に日々囲まれているコンサルほど、横文字を使い慣れていないということです。
複数のワードが混合し、何を言っているのか全く理解できないことも多々あります。
この手のタイプは、非常にプライドが高いため、間違いを指摘することはおろか、聞き直すこともご法度です。
そうなると、チーム内では「何を言っていたか」という、シャーロックホームズよろしく、推理ゲームが始まります。
何と言っても一番辛いのは、議事録を書くジュニアでしょう。

③我此処に在らず系

自分の意見を言わないことはもちろん、ミーティング中に目が合うこともほとんどありません。
一見何の害もないようですが、コンサルタントは事業の知識をクライアントほど持っていません。
なので、無言を貫かれるのが、実は一番精神的に辛かったりします。
そして、この手のタイプは何か問題が発生すると、「自分は最初から間違っていると思っていた」と吹いて回ります。

モチベーションの面でも重要なクライント

コンサルタントのモチベーションは色々あると思いますが、最後の最後はクライントからの「ありがとう」の一言だったりします。
何も精神的・肉体的に追い込まれて頭が可笑しくなっているわけではありません。
コンサルタントも人間なのです。
勿論、僕らはプロフェッショナルなので、常に120%の仕事をします。
しかし、素敵なクライアントに対しては自然と130,140%の力が湧いてくるのです。 

ちなみに、前述した僕がお世話になったクライアントの方は、良いアウトプットを出した時は「素晴らしいですね。さすがXXXさん(ファーム名・個人名)」と声に出してしっかりとお褒めの言葉を下さいました。

やっぱり優れたビジネスマンはコンサルタントをマネージするのも上手いんですね。