戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

会議が生み出す非効率性

スポンサーリンク

本やネット記事で生産性向上の方法として会議にメスを入れることがよく取り上げられています。
これまでそうした本の見出しや記事のヘッドラインを見ても、僕自身は全く興味を惹かれませんでした。
しかしながら、常駐を体験してみて「たしかにメスを入れるべきだなぁ・・・」と感じるようになりました。

効率化されたコンサルティングファームの会議

以前、有意義な会議を行う上で意識すべきことについて記事を書きました。

www.strategyconsul.com

こうしたお作法以外にも会議を効率化するような心構えがコンサルタントには備わっています。
(会議以外にも全ての動作を効率化する心構えがあります)
そもそも僕らコンサルタントの業務量は膨大にあるため、徹底的に効率化していかないと自分の命にもろにダメージを与えることになります。
そうした防衛本能から僕らコンサルタントは効率性に対する感度がめちゃくちゃ高くなります。
話し方が回りくどければ容赦なく強制終了させられますし、資料の一枚目が意味不明ならそこで破かれて終了なんていうケースは決して都市伝説ではありません。

そうした「徹底的な効率化」は会議にも適用されます。
会議の主催者は運営上の効率化へのプレッシャーが掛かりまし、参加者に対しても効率的な発言が求められます。
(とりあえず発言しました的な内容のない発言は悪評と化してファーム内を駆け巡ります)

ちなみに、知人のコンサルタントは会議を主催する場合は事前に工数を見積もり、その見積もりと実際の時間との乖離を見るためにタイマーで時間を計るという人もいます。

年功序列が阻む効率的な会議

防衛本能の有無はあるにせよ、それ以上の問題が年功序列という制度です。
今の常駐先では、例に漏れず年功序列の昇格制度によって「できない管理職」が創出されています。
彼ら/彼女らはキャパシティが狭く、自分一人ではチームや部等を代表して色んなことを議論したり、纏めたりすることができません。
じゃあどうするかと言うと、関係しそうな担当者を全員引き連れて会議に参加するのです。
そうすると、自然と一人当たりが参加する会議の数が増え、当人の工数が奪われるだけでなく、その人と本当にコミュニケーションを必要としている人の時間を止めてしまう可能性もあるわけです。

本当、年功序列は革命です。
教科書的には年功序列制度を廃止することが正しいのですが、そんな過激な施策を打てるはずもなく、当分はこうした非効率な会議が行われていくんだろうなぁ。

きっとこうした非効率が競争力を落とす原因となり、結果として産業界の新陳代謝を促すことになるかもしれないので、まぁそれはそれでありなのかなと思います。