戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

部門間の"溝"と権力争い

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普段、コンサルファームに勤務していては感じることができない部門間の"溝"について。
コンサルファームでは、フロント(コンサルタント)とバックオフィスという区切りはあっても、事業会社のように複数の事業部があるわけではありません。
ファーム内にいるコンサルタントは誰の許可を得ることなくコミュニケーションを取ることが可能です。そしてそこに対してなんら特別感はありません。

部門間を超えるコミュニケーションには許可が必要

一方、事業会社においては例え同じ社内であっても自由にコミュニケーションを取ることが許されません。
どう考えても徒歩10秒で席に行って話掛けた方が早い場合でも、上司に許可を取り、コミュニケーションを取る理由やその依頼メールのレビューを受け、初めてコミュニケーションを取ることができます。
まるで別会社みたいですね。(下手すると社外の人にコンタクトするよりも入念なレビューです)

そこの背景を探ると、素晴らしい程の上下関係と、それを渦巻く権力争いがあるようです。
「XXさんに失礼があっては背中を刺される」「XX部のXXXには借りをしたくない」等々

実際はコンサルファームの方がやばそうな部門間の"溝"

今日書きたかったのは「事業会社の部門間の"溝"なんてくだらないな」ということではなく、事業会社における部門間の"溝"を見ていて、むしろコンサルファームの方が、"溝"ができる余地が生まれたらやばいんじゃないかと思ったということです。

冒頭の通り、通常コンサルファームには部門というものが存在しません。
一方で、所謂ジェネラルな経営学や思考力で売れなくなってきた背景から、コンサルタントが専門性を磨くことが求められ始めました。
ファームによっては特定領域の専門部門を立上る、なんていう動きもあるようです。

もしも、そうした専門部門化がファーム各社に浸透した場合、間違いなく血肉を争う権力闘争が起こるんじゃないかなぁという気がしてなりません。
事業会社の場合は終身雇用なので、どんなに圧力を掛けても窓際に追いやられるだけでしょうが、コンサルファームの場合だとリアルにキックアウトできるので、ただでさえプライドが高く冷徹な人が多い業界なだけに、相当熾烈な戦いが予想されます。

ですので、専門性云々は一度おいておいて、"溝"が生まれる余地は何としても防がないといけないんじゃないかぁと思っています。