戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

中途コンサルという選択肢について考える

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まだまだ採用ニーズの勢いが止まらないコンサルティング業界。

アクセンチュアにいる知人の話では、月1-200人規模で中途採用しているらしいです。

アクセンチュアのこの動きはかなり振り切ってはいると思いますが、他ファームも決して蚊帳の外ではなく、戦略/非戦略問わず、かなり意欲的に採用しているようです。

数年前では考えられないようなことが今のコンサルティング業界では起きています。

"今"中途コンサルという選択肢はおすすめできるか?

そんな中で、最近はさらに多くの転職について相談を受けるようになっています。

もちろんいろんなケースがあるので、一概には言い切れませんが、いくつかの観点について僕自身の意見をまとめていきたいと思います。

①業界トレンドの観点

コンサルファームの採用数が爆増していることは先ほど述べた通りですが、爆増した結果、これまでの採用ハードルでは入社できなかったレベルの人たちもコンサル業界へと入り込んでいます。

これは2年前に書きましたが、この時よりもさらに低下している状況です。

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 毎月大量に採用していては、育成も追いつきません。

丁寧に育成できていない人材が、翌月に入社した人材を育成するという可笑しな体制となり、正気の沙汰ではない状況になっています。

「それでもちゃんとコンサルできるの?」という疑問もありますが、クライアント側のニーズの変化というのもありそうです。

BIG4の急拡大の背景には、「高級文房具的なプロジェクトの増加」「RPAの設計・導入などを代表としたビジネスプロセス改善プロジェクトの増加」などによって、クライアントに人を張りつける形のプロジェクトが増加しているためである。

クライアント側から見ると、働き方改革の下で「業務をコンサルタントに外注したい」「無駄な業務を圧縮したい」と言ったニーズが日に日に増えている。

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一時は「コンサルファームには成長環境」「コンサルファーム卒業生は優秀」というイメージが蔓延していたが、コンサル業界をよく知る人からすれば、「明らかに過去とは違う」という状況です。

 

そうした中でも盲目的にコンサルを目指す人については、そもそも一昔前にコンサルにいた人とは思考が違いそうです。

今コンサルに殺到している人たちは、一昔都銀に殺到していた人たちと同じ人種が増えてしまっている。

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つまり、これからコンサルに転職したことで得られる経験や、その結果輩出される人材というのは、これまでの人材とはまた違う人材となる可能性が高い。

それを踏まえても、コンサルファームに行きたいというからには、何かしらコンサルという業務に想いがないと正当化は難しいのではないかなと思ってしまいます。

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②ライフステージの観点

これは僕自身の周囲に限った話になりますが、僕自身が転職相談を受ける相手は基本的に近々結婚を考えている、或いは子供が生まれるなどのライフステージの人が多い。

コンサル業界もあの手この手で働き方改革を謡ったり、働きやすい職場を標榜したりはしているものの、コンサル業界からハードワークがなくなってしまったら、それこそ終わりだと思います。

ハードワークなくして解決できる課題を、わざわざ高いフィーを払ってコンサルファームに頼むはずがないので。

 

そんな中で、自身のライフイベントを犠牲にしてまで、コンサル業界で成し遂げたい何かがあるのかというのが、大きな分岐になると思います。

僕が相談を受けるケースの多くが、「今の企業だと将来不安だ」「新卒でコンサルに就職した友人がビジネスマンとして活躍して見える」と言った程度の動機であるため、その程度の動機で、生活を犠牲にする覚悟があるのか?というのを毎回のように問うています。

まとめ

繰り返しではありますが、中途コンサルという選択肢を取る上では「何かしらコンサルという業務に想いがある」「コンサル業界で成し遂げたい何かがある」ことが必須だと思っています。

それがあるのであればぜひともお勧めしたいですし、もしないのであれば全力で止めます。

それ以外の中途で後悔するパターンについては以下の記事によく纏まっていたのでぜひご覧ください。

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