戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

フェルミ推定

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さて、再来週から新しいプロジェクトが決まったということで、それまでの残り一週間半は提案活動を手伝うことに。

昨日から提案資料の作成に関与している案件は、未来系の話です。

ある業界再編がガシガシ起こっている業界で、
将来的にA,B,C,D,・・・・の価値創出の機会が生まれ、それらを御社の事業ドメインに照らすとA,C,H,・・・が事業機会になりますよ。その結果、御社の事業規模はこのくらいになりますよ。

という感じです。

未来形の話になると世の中に情報がないので(あっても断片的)、フェルミ推定を行う必要があります。

コンサルタントが実務でも使うフェルミ推定

恐らく全てコンサルタントが入社前のケースを突破するためにフェルミ推定対策を嫌という程やったと思います。
僕自身も参考資料片手にフェルミ推定の問題を解きまくっていました。

各ファームとも候補者の地頭を計るためにフェルミ推定の問題を出すのですが、実はフェルミ推定は稽古量でいかようにもなる世界なので、学力と同じで地頭を計ることができないという現実があります。
その事に気が付いた各コンサルファームは最近フェルミ面接を減らしたりなくしたりしているとか。

とは言え、フェルミ面接が完全に消滅したわけではなく、且つ回のように実務でもフェルミは使うので、しっかり稽古しておくことがお勧めです。

ちなみに僕は学生時代に下記の本を使って稽古していました。

現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート

恐らくコンサルを目指す人がほとんどが購入するであろう本です。
フェルミ推定の初歩的な解き方の解説だけでなく、例題が多く、回答例もリッチなので非常に役立つ一冊です。

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

アンダーセン出身の方が書いた本です。僕の中の位置づけとしては、上記の本のサブ参考書的な形で使っていました。

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

上2冊の問題集とは少し異なり、フェルミ推定の教科書的な位置づけです。
地頭の定義付けを行った上で、地頭とフェルミ推定の関連性を説いており、自身の思考方法をインストールするという点で有意義な本です。

 

面接と異なる実務でのフェルミ推定

恥ずかしながら、実務でこんなに精緻なフェルミ推定を行ったのは初めてでした。
面接と実務での差は、数値の確からしさです。
正直、式を考えること自体は前述の通り稽古すれば誰でもできるようになります。

面接の場合はそこまで数値の確からしさを求められることはないのですが(感覚的に違和感がなければOKレベル)、実務の場合はその数字に根拠が求められます。

面接の時は「感覚的にAはBの半分なので、50%を掛けます」でも許されますが、実務であればその根拠を探す必要がありますし、仮にその根拠がない場合は算出式自体を変更する必要があります。(算出式設計⇒数字集めの初期リサーチ⇒算出式設計のサイクルを回します) 

昨日、今日はそんな根気のいる作業を行い、何とか軟着陸させることができました。