戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

プレゼン資料は「台本」ではない

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今日、いつもの様に常駐先で仕事をしていると突然クライアントから「ねえねえ、ちょっと・・・」と話し掛けられました。
話の内容としては「サプライヤーとのミーティングに参加して欲しい」とのことでした。
「僕が出席する意味とは???」と頭の中にクエッションマークが37万個浮かびましたが、「え?」という言葉に何とか留めて参加することになりました。

最初は時間の無駄だし何なんだよとひたすら心の中で文句を言っていましたが、コンサルタントとして働いている中でメーカーの立場でサプライヤーの前に立つ経験なんて当然ながらありませんし、普段はプレゼンをする立場で、プレゼンをして貰う立場になった経験がなかったので、非常に良い経験となりました。

資料は「判断材料」を提示するもので「台本」ではない

プレゼンをして貰う立場になって、今回のプレゼンテーターは完全に反面教師となりました。
最早プレゼンと呼んで良いかも怪しかったのですが、ひたすら資料に書いてあることを棒読み。
プレゼン内容がプロジェクトとほとんど関係しない事項で、僕自身のキャッチアップが間に合っていなかったこともあるかもしれませんが、途中で何度も意識を失いかけました。(自分で失い"かけた"を思っているときは大抵失って"いる"時なので多分アウトですね)

本来、プレゼン資料は出席者の「判断材料」を提示するものです。
プレゼン資料は「台本」でもなければ、プレゼンの場はその「台本」を読み聞かせる場所でもありません。そんなことなら資料を共有して各自読んでおいてで十分間に合うはずです。
繰り返しになりますが、プレゼン資料は飽く迄「判断材料」で、それを活用しながらポイントを絞り、自分の言葉で語りながら出席者のネクストアクションをクリアにしていくことが本来あるべき姿だと思います。

資料を「台本化」することで参加者の表情が見れなくなる

資料を「台本化」することで、参加者が意識が飛ぶくらいつまらなくなると面もありますが、それ以上の弊害がプレゼンテーター本人が資料を読むことに注力してしまい、参加者の表情を見れないことです。
参加者の表情を見て、その場その場で喋り方や内容を変えていかないなら、声優等の音読のプロに録音して貰った方が遥かに精度が高い台本読みができます。

もしかしたら今日のプレゼンテーターは色んな事情から準備に時間を掛けられなかったのかもしれません。逆に言えば、資料が「台本」でない以上、何の準備もなしにプレゼンを行うことはできません。
僕自身もプレゼンすることがある種日常化してしまい、毎回緊張感を持って準備できていない自分がいました。
今回の件を反面教師に、もう一度気を引き締めて、自分の言葉で語るプレゼンを行うべく毎回のプレゼンでしっかりと準備を行っていきたいと思います。