戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

「辞める前提」のコンサルキャリア

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コンサル業界にいる多くの人は「いつか辞める前提」で働いています。

新卒・中途問わず、コンサル業界の門を叩くその瞬間から「いつかは起業する」「元いた業界に戻る」と考えている人もいれば、
働き始めてから「こんな生活続けられない」「もっと手触り感が欲しい」と考え始める人など、その前提の背景は様々です。

一方、短期間で高単価プロフェッショナルを育成することの難しさを知っているファーム側は、できるだけ長く働いてい貰うためにはどうすべきか苦心しています。

今回はコンサルキャリアにおいて「辞める前提」で働くことのメリット・デメリットについて纏めたいと思います。

「辞める前提」のメリット

有限感を持って仕事に向き合える

コンサルタントの仕事がどれだけエキサイティングでも、ある程度仕事に慣れてくると必然的に気持ちのダレが出てくるものです。
辞める「時期」を明確に決めておけば、そのカウントダウンがダレそうになった自分を立て直してくれます。

よりシビアに関与プロジェクトを見定められる

ファーム内では「色んなプロジェクトを経験した方が良い派」と「類似プロジェクトをより多く経験した方が良い派」が常に対立しています。

そんな対立に飲まれる形で「まぁ今回はこれでも良いか」とアサイメントを決めてしまうこともあります。
しかし、辞める時期が決まっていれば、逆算して経験できるプロジェクト数も分かるので、常に自分が経験すべきプロジェクトを明確にした上で関与するプロジェクトを見定めることができます。

「辞める前提」のデメリット

"何でも屋"から卒業できない

「辞める前提」を持った多くの人はコンサルタントとして独り立ちする前に(自分でプロジェクトを受注できるようになる前に)辞めていくと思います。

色んな経験をして何となく自信は付いたけど「何ができるの?」と問われれば、答えに窮する状態で、自ら仕事は作れないが、仕事を与えられればスムーズに捌ける"何でも屋"になってしまう危険があります。

ファーム側から長期的なキャリア形成の機会を与えられない

半年~1年間の語学学校込みで海外派遣をする日系大手企業は、終身雇用という前提でそういった育成投資を行っています。

そういった育成投資に対する根本的な考え方は、離職率が高いコンサルファームでも同様です。
やはり長期的に働くことをコミットしているメンバーに与えられるはずの様々なオポチュニティを得ることができなくなる可能性があります。