戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

コンサルタントのモチベーション

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コンサルワークの難しいところの一つは、何と言っても高いモチベーションを保ち続けること。
定期的に(早ければ1ヶ月で)プロジェクトの業種やテーマが変わる中で、常に高いモチベーションを保つというのは想像以上に難しいです。

言うは易し「自分事化して考えろ!」

例えばコンサルのプロジェクトではこんなケースがあります。
クライアントが2-3年取り組んで来たけど中々上手くいかない事業。
なんとかするべくコンサルと共同チームを立ち上げてプロジェクトに着手。
プロジェクトが始まると共にパートナーやプロマネは皆んな口を揃えて叫びます。
「自分事化して考えろ!」と。

いや、もちろん理屈はわかる。
プロとして目の前のことで結果を出す。
そのために主体性を持って、出せるアウトプットを全部出す。
言っていることは100%正しい。

しかし、です。

下手をすれば何も知らない業界のことについて、事業立ち上げの背景や歴史、関係者の想いや苦悩を全部吹っ飛ばして、Day1から「自分事化して考える」というのは想像以上に難しい。
しかもプロジェクトが終わる数ヶ月後にはバイバイです。僕らコンサルタントに対してその先に待っているのはまた新しいプロジェクト。
それこそ2-3年もその事業に関与して、その後も継続して関与していくであろうクライアントとは埋められない差を感じてしまいます。

なぜクライアント先に転職しないの?

「いやいや、それじゃプロじゃない。高いフィーを貰ってるんだからそれくらいできて当然だよ」
先程も書きましたが、それについては100%正しいと思います。
僕自身のプロ意識が足りないのかもしれません。

ただ、一つ思うわけです。
「それだけ自分事化して考えた結果、プロジェクトが終わったらバイバイでいいの?クライアント先に転職しないのはなぜ?」と。
お金?もっと色んなプロジェクトやりたい?
それは「自分事化」することと両立するの?
それとも期間限定で「自分事化」するという催眠術を自らにかけることができるの?

もはや自分に嘘をついているのか、人に嘘をついているのか分からない不思議なモチベーションは、コンサルティングという仕事が抱える不思議の一つなんじゃないかなと思うわけです。