戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

コンサルタントは事業会社で活躍できるのか

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僕自身はコンサルの次のキャリアとして、メガベンチャーと呼ばれる事業会社を選びました。
事業会社では、一般用語で言うと「経営企画部」的なところで働いています。

働き始めて数か月ですが、感じたことについて纏めたいと思います。

事業者会社の経営企画と言うと、コンサルのセカンドキャリアとして選ばれることが多いポジションになるので、現役コンサルタントで、次のキャリアとして事業会社が選択肢にある人、キャリアに悩んでいる人なんかの、ちょっとした参考になれば幸いです。

「当たり前がだろう」と思われる部分があるかもしれませんが、少しお付き合いください。

関わる人数が違う

まず、事業者会社の経営企画とコンサルでは圧倒的に関わる人数の規模が違います。

3-4名の少人数チームで動くコンサルファーム。

仕事を進める上で社内でコミュニケーションを取る人がなんて片手で数えられる程度です。

そして皆んなの目線や感覚が一定揃っているので、コミュニケーションがめちゃくちゃ楽。

多少行間が抜けていても、認識が大きくズレることは少ない。

一方の事業者会社の経営企画では、両手両足を使っても数えられない程の人達と関わりながら仕事を進めていく必要があります。

そして、皆んなの目線や感覚が揃っていない場合が多々あります。

ある人はメールではなく対面で仕事を依頼しないとダメ。

ある人は週後半に依頼を投げてはダメ。

ある人は仲良くない人だと期限以内に依頼した仕事を返してくれない。

ある人はガチガチにフォーマットを決めてあげないといけないが、ある人はそれを嫌う。

などなど、その人を理解して、その人に合わせて仕事をする必要があります。

関わる人数が少なければ、敢えて合わせなくても何とかなるかもしれません。

自分は自分の仕事を、チームメンバーはチームメンバー自身の仕事を、然るべき品質で期限内に完了する。

そんなシンプルなコンサルファームの常識はここでは通用しません。

チームメンバーのことなんて、名前とこれまでのプロジェクト経験くらいしか知らなくても、しっかりとワークするコンサルファームとは違い、飲んで、語り合って、仲良くならないとワークしない世界があるのです。

 

関わる仕事の歴史が違う

次に、強く感じたのが、関わる仕事の歴史が違うということです。

毎回のようにプロジェクトがゼロから始まり、自分の頭で考え、ゼロから設計できるコンサルワークと異なり、事業者会社の場合は脈々と受け継がれてきたやり方があります。

前述の通り、関わる人数がケタ違いなので、物凄く非効率的なやり方でも、それを変えて、全員に納得してもらい、そして全員の理解を揃えることを考えると、変えずに進めた方が良かったりもします。

また、バカな上位者を平然と否定できるコンサルファームと違い、前述の通り、嫌われたら自身の仕事に跳ね返ってくるリスクがある中で、脈々と受け継がれてきた仕事を否定することはかなり危険です。

コンサルタントは事業会社で活躍できるのか

「関わる人数が違う」「関わる仕事の歴史が違う」ことで、コンサルタントとして優秀かどうかと、事業会社の経営企画マンとして優秀かどうかというのはイコールではありません。

コンサルタントが事業会社で活躍できるかどうかは、制約がある中で、時にはプライドを捨てて、周囲とうまくやれる人間であるかどうかに掛かっている気がします。