戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

コンサルタントとは協業者

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先日つぶやいた内容にちょっとした反響があったのですが、真意が伝わっていない部分もありそうなので、少し補足したいと思います。

「コンサルの仕事はもっともらしいことを言う」こと

そもそもこのツイートは、あるバイアウトファンドの方の「コンサルの仕事はもっとらしいことを言うことである一方、投資ファンドや経営者の仕事は何が何でも結果を出すこと」というツイートを見たことがきっかけでした。
まぁ人材獲得のためにポジショントークをしているんだと思いますが、さすがにピントがずれてる気がします。
そもそもコンサルと投資ファンド、経営者では役割が違います
自分達が担う役割だけが唯一無二の正解だと決め込み他者を批判するのはあんまりイケてないなぁと。
サッカーにおいて、点を取る/守る個々のプレーヤーと、戦術を考え指揮を執る監督とでは役割が違います。
それを「監督はボールを蹴らずにもっともらしいことを言って結果を求めていない」みたいな意味不明な批判をしているのと変わりません。

協業者として共通の結果を追い求めるのがコンサルタント

コンサルタントを「使ってやってる」だったり「雇ってやってる」なんて言い方をする人がいますが、僕らのコンサルタントは「使って貰ってる」でも「雇って貰ってる」でもなく、「一緒に検討している」「検討のサポートをしている」と認識しています。

コンサルファームと契約する目的は、クライアント側にないノウハウやナレッジの獲得、又は検討スピードの向上あたりになると思います。
できるクライアントの方ほど課題を自分事化しているので、自分とコンサルタントの相乗効果を創出しようと前のめりですし、ノウハウやナレッジについてもどんどん吸収しようとします。
そういうクライアントの方は、例外なく「一緒に検討している」と言います。(少なくとも僕らの前では)
一方、そうでないクライアントの方はできるだけ検討に関与せず、コンサルタントに丸投げするので、ノウハウやナレッジはいつまで経っても吸収できず、”コンサル漬け”を抜けられないわけです。
そうやっていつまでコンサルに丸投げしている人が「使ってやってる」と言い始めるわけです。

「いやいや、自分達にノウハウはあるけど人が足りないから外注しているんだよ」というすごい人もいるかもしれませんが、そんな程度の話で月1千万円単位お金を払うってコスト意識なさ過ぎですね。

最初の話に戻りますが、コンサルタントは飽く迄協業者です。
もしコンサルタントが「もっともらしいことを言う」ことを追い求めているのであれば、それはそのクライアントが「もっともらしい」なにかしか追い求めていないことを反映した結果でしかないのです。

サッカーにおけるプレーヤーと監督が、勝利という共通の結果を追い求め自身の役割を全うするように、コンサルタントとクライアントも共通の結果を追い求めて協業することこそがあるべき姿なんじゃないかなと思います。