戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

コンサルファームに転職する上で気を付けるべきこと

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ここ1,2ヶ月で、コンサルファームへの転職を相談される機会がかなり増えました。

僕自身が事業会社に転職し、両方の経験を得たため、「両者を比較してどうなのか」という視点での質問に答えられるようになったという側面もありますが、それ以上に、コンサルファームが採用を異常に拡大しており、門戸が広がっていることが大きいと思われます。

さて、今回はコンサルファームに転職する上で気を付けるべきことについて書きたいと思います。

もちろん、人それぞれのバックグラウンド、スキル、将来設計などによって気を付けるべきことは変わってきますが、ここ1,2ヶ月で僕が転職の相談にのった人たちに対して、共通して思ったことを書きたいと思います。

多くの人が見えているのはコンサルファームの氷山の一角

大手事業会社から、コンサルファームに転職を志望される方の動機は概ねこんな感じじゃないでしょうか。

「知名度などに惹かれて今の会社に入ったが、数年経っても大したスキルも身についておらず、漠然と将来に不安がある」

「会社の歯車になっており、社会への貢献や自分自身の価値を感じられない」

「ふっとコンサルファームに入社した大学の同期を見ると、少数精鋭でなんか凄そうな仕事をしている」

「コンサルファームは厳しい環境だが、なんか凄そうな仕事ができるようになるスキルが身に付くような話をよく聞く」

「最近は1社に勤め上げるなんて考え方なんてナンセンスだし、会社に依存するような生き方はしたくない」

「だったら、厳しい環境でも、なんか力がつきそうなコンサルファームの門戸を叩いてみよう」

コンサルファームに関する情報は、昔に比べて、世の中に出回るようになりましたが、それでもまだまだ謎多き業界です。

たしかに、コンサルファーム出身者の僕としても、新卒でこの環境に飛び込んでよかったなと心から思います。

一方、コンサルファーム業界は年々肥大化しており、今現在のコンサルファームの実態を踏まえると、手放しに成長環境があるかと言われると、必ずしもそうではないように思います。

 

コンサルファームで具体的に「何をしたいか」を明確にすること

前述の通り、コンサルファーム業界は年々肥大化し、「採用面接はETC状態」という実しやかな噂が流れています。

それは、各ファームが守備範囲を広げているからに他なりません。

自称「戦略ファーム」で、本当に戦略案件のみしか手掛けていないファームは存在しません。

中には、資料作成だけやる「パワポ代行業」や、クライアントの指示通りに動く「高級文房具業」などが頻出しています。

そんな中で、「成長したい」「クライアント支援したい」などの、漠然とした動機では、何かと理由を付けて、そうした「パワポ代行業」や「高級文房具業」を押し付けられるのが関の山でしょう。

「具体的にどういう案件を経験し、どんな力を身に着けたいのか」「クライアントのどんな側面に対して、どのように支援したいのか」を明確にしないまま、漠然と「コンサルファームに入れば、顔も知らない誰かが成長させてくれる」と思うのは、ただただ危険だと思うわけです。

幸い、現状「採用面接はETC状態」と噂が流れるような市場環境なので、面接で入社後にアサインされるケースを握っておくくらいの強気な姿勢でも問題ないのではないでしょうか。

コンサルファームへ転職される方が、何のスキルにもならない雑務で日々ハードワークを行い、身も心もボロボロにならないことを祈っています。